さぁ、どっち?
暗闇の向こう側にぽつんと小さな光が見える。
その光を頼りに私はこの道を進んでいた。
だけど、どうしたらいいのだろう。
進んでも進んでも、まったく光に近づくことはできない。
その前に、ある崖がある。
崖からみた光は、遠いけれども光が強く見える。
だけど崖から進もうとしたら崖からおちてしまうし、
道ある道を通ってもまったく光に近づくことはない。
ただ、一点。
光があるほうを見続ける。
ずっと同じ道を通っているけれども、
きっと、きっと。
光にいつか届く気がする。
崖にまた戻った私。
光が強く光っている。
遠いけど、確かに光は強い。
よし。
どうか、飛べますように。
一歩足を引いて加速しながら崖を飛び下りた。
そして今日も私は、
ベッドから体を起こして、
食パンを食べて、
歯を磨いて顔を洗い、
着替えてそれから
学校へ行く準備を整えて。
家族にいってきますの挨拶も忘れて
少し重い玄関扉をあけた。