書き物

小説?とか?そんなん書いてるかもです

さぁ、どっち?

暗闇の向こう側にぽつんと小さな光が見える。

 

その光を頼りに私はこの道を進んでいた。

 

だけど、どうしたらいいのだろう。

 

進んでも進んでも、まったく光に近づくことはできない。

 

その前に、ある崖がある。

 

崖からみた光は、遠いけれども光が強く見える。

 

だけど崖から進もうとしたら崖からおちてしまうし、

 

道ある道を通ってもまったく光に近づくことはない。

 

ただ、一点。

 

光があるほうを見続ける。

 

ずっと同じ道を通っているけれども、

 

きっと、きっと。

 

光にいつか届く気がする。

 

崖にまた戻った私。

 

光が強く光っている。

 

遠いけど、確かに光は強い。

 

よし。

 

どうか、飛べますように。

 

一歩足を引いて加速しながら崖を飛び下りた。

 

 

 

そして今日も私は、

ベッドから体を起こして、

食パンを食べて、

歯を磨いて顔を洗い、

着替えてそれから

学校へ行く準備を整えて。

家族にいってきますの挨拶も忘れて

少し重い玄関扉をあけた。

おー。

とうとうこの夏がやってきたか。

でも、まだセミがうるさくない。

まだ真夏でもないのにこの暑さか。えらいこっちゃ。

顔や体から、だくだくと流れる汗を、手の甲や服でぬぐう。

真夏になったらきっと俺死ぬわ。

うちわ片手に、扇風機の前であおむけで大の字になる。

顔の前でうちわを仰ぎながら、『暑い』と、小さく連呼するその姿は

今にも、白目をむいて死にそうだ。

どうか俺に、爽やかな風をお恵みください神様!!!

心の中でそう叫ぶも、生ぬるい風が俺をすりぬける。

もさっとした空気、、、。

 

真夏はもっとひどいと思うと、想像しただけでもなきそう。

プールいけるからいっか、、。

立ち上がると、暑さのせいで少し頭がくらっとした。

冷蔵庫の中から、ひんやりとした飲みかけのコーラをとりだして、

勢いよく飲み干す。

あれ、もうないのか!!!

飲み干したことを少し後悔したが、またコンビニいくし、、、。

って、コンビニいくのもつらいなこりゃ、、、。

 

そして、足を蚊にかまれちゃった。

おい、まじかよ。

ちょこっとさわってみると、かゆい。

俺の血液がー!!!

ちっちゃい命に、俺の足がやられてしまうとは。

 

はぁ、早くこの夏が終わってくれないものかな、、、。

 

 

 

っち。

っち。

鬱陶しい奴らだよな。

 

いちいちしょうもない奴にからみやがってよ。

そんなことしかできないクズな人間なのか?

 

俺は細い道にあった空き缶を蹴りながらそう心の中でいう。

 

ほんとつまんねーよ。人間。

俺っていう存在がまずめんどいんだよ。

 

自虐的なことばかりしか考えないネガティブな俺だけど。

 

ただこれだけはきっと言えるだろう。

 

皆、人間同じ。

 

位が高いとか、年上だとか。

 

そんなの関係ない。

 

従う意味もねぇ。

 

俺はそう思う。ただの甘え事だろうがそんなの関係ない。

俺の想いだ。

 

 

って、何カッコつけてんだか。

 

俺は家に戻り、自分の部屋に入る。

 

机の上にいた愛猫をそっと撫でながらため息をついた。

 

現実

いつもと何も変わらないこの教室。

 

机にイス、落書きされた黒板に、物で散らかった棚。

しゃべりかける友達に反応する友達や、愚痴話で盛り上がる女子達。

クラスの中で浮いてる奴をちょこっとイジる、性悪い男子達。

 

いたって普通だ。

 

一人ぼっちに、ギラギラ光る太陽。

それをそっと包み込むような青い大空。

そしてしたからぐんっと支える雲。

 

いつも通りで、なんも変わらない。

 

その中で僕は、一人ゆっくりと小説を読み始める。

頭の中で広がるその世界は、どんどん僕の中で進化していく。

主人公と、その仲間達。

どこにでもあるようなストーリーでも、ひとつひとつ味が違う。

 

ああ、僕もこんな世界に生まれたかった。

地球に生まれた以上、ありえない話を現実にできるわけがない。

 

選ばれた勇者になって、魔王を倒して。

強くなって、有名になって。

ひとを救えて。

呪文使って回復したり、直せない病気も一瞬で。

死んだ人も、ひとつ言葉を放てば生き返ってしまう。

 

そんな世界でもいいから、この退屈な世界から抜け出したい。

 

何ひとつ変わらないこの世界。

 

僕はその世界のすみで、大きな空を見上げながら、

 

「めんどくさい世界をよくお造りになられたもんだ。」

 

居るはずもない『神様』という存在にそう言った。